ヒミツの恋の方程式
でも、なんで?


カーテンにくるまれてされた黒あくまの嫌がらせを――…


どうして、あの時、理科室にいなかった聡が知ってるの!?


驚きを隠せず、目を不審者のようにきょろきょろ動かし、


聡にキスを落とされた頬をきゅーっと押付けるように押さえながら、口をぱくぱく――…


まるでエサを前にした鯉のように忙しく動かす。


な…な…なんか、言い訳しなくちゃ。


でも…
でも…


言い訳なんか、ひとっつも出てこない。


だって、あれは――…


完全に、“不可抗力”なんですから―っ!!


あたしは全然悪くない―っ!!!

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