ヒミツの恋の方程式
――瞬間、ぴくりと体に走る甘い快感。


それを、またもやグッと唇を噛んで耐えていると、


聡は、あたしの頭を撫で、頬を撫で、次に肩から背中をするりと撫でて――…


「…きゃっ」


片手で背中を持ち上げるようにして、あたしの胸、下着の上あたりにキスを落とした。


「やっ…
なに!?」


その瞬間、ハッと我に返り、甘い甘い世界から解き放たれた。


「今、何して――…」


照れ隠しでわかりきったことを口にして、シャツを両手でキュッと閉じる。

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