数学?ううん、先生。
「先生……?」
すぐに出てくれたことが、嬉しくて
変わらないぶっきらぼうな声色が、嬉しくて
また泣けてきた……
『小林さん…どうした?
何か、あったか…?』
「せん、せ…っ」
私の目から零れたものは
ベッドのシーツに染みを作った
『……ちょっと待ってて
15分したらかけ直すから』
そう言って電話は切れた
「…先生?」
突然すぎて…
あれ、私かけちゃいけなかった?
ほんとに15分したら
電話かかってくるの…?
果てのない不安に
また飲み込まれそうになる
それから助けてくれたのは、
15分後の着信音だった