数学?ううん、先生。



「あの…先生…」


車は走ること15分


時々窓の外を眺めてみるけど
景色は知っているものじゃない…


「なに?」

「どこ行くんですか?」

「もうすぐ着くから」


「えー…」


もうすぐ着くからって…

一体どこにー…?



「着いたぞー」


「……ここ?」


私はシートベルトを外して
ドアを開けた


外に広がっていたのは

眩しいくらいの夜景だった


「すごーーーーい!!!!!」


「声でか…」


木のフェンスに駆け寄って騒ぐ私を後ろから先生が見ていた


「…超キレイ」


「ここ穴場だろ?
俺のお気に入りスポット」

「そうなんですか……」

「おう…前の学校、ここの近くにあるからさ」

「……ありがと、先生…
連れてきてくれて…」


「なんだ小林さんしおらしくなっちゃってー…」

「…別にっ」


先生は意地悪な声でからかってきた


「先生…聞いてくれる?
先生は私の担任とかでもないけど…先生に聞いて欲しい…」


「…ゆっくりでいいから」


「うん……」



私は思ってたこと、今日あったこと全部話した




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