数学?ううん、先生。
「せんせ…」
私はぎゅっと先生に抱きついた
「ありがとぅ…」
「…おー」
先生の片腕が私の背中に回った
腰の辺りに手のひらが添えられている
その感触が信じられなくて…
恥ずかしくて…
多分顔は真っ赤だと思う…
「先生だいすき…」
今度はうっかりなんかじゃない
言いたいと思って言ったんだよ…
この腕は離れちゃうと思うけど
夢だもん…
覚めて当たり前だよね?
そう思ってたのに
先生の腕は離れるどころか
力が込められた
私は先生に覆われるように
強く抱き締められていた
私の背中には2本の腕
服の上からでも分かる程よい筋肉
男の人だ……
「…せんせ…?」
「小林さん…ごめん…
俺…教師失格だわ………」
先生の低い声が
耳のすぐ横で響いてビクッとした