数学?ううん、先生。




「……もうダメだ」



先生の言葉を合図に

2つの唇は

初めて、重なった



キスは…初めてじゃない


今まで彼氏だっていたし
キスも経験した


けど…キスだけで

こんな暖かい気持ちになれるんだね…


「ん…せん、せ……」


私はまた強く先生の背中にしがみついた


「…名前…呼んで?
先生って呼ばれると…いけないことしてるみたいだから」


いけないこと…って……

いけないことなんだけど…(笑)


「……和也…」


私がそう呼んだ瞬間

口の中に温かいものが滑り込んできた


「…っん!!…んん…」


「…ゆい……」


舌を遣ったキスの合間に
先生が艶っぽい声で私を呼ぶ


「…あ…っ…ん…和、也…」


「……やべぇ…」


先生はそう呟くと
突然私の腕を引っ張って車に向かって歩き出した


「えっ…先生…?」


わけが分からず、
されるがままについていくと

先生は後部座席のドアを開けて
私をそこへ座らせ、自分も乗り込んだ


「ごめん……止まらない…」


先生はそう呟くと私を膝の上に座らせた




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