alternative
訓練を終えて、隊員達は各々自由時間を過ごす。

そんな中。

『ラルフ・ハミルトン訓練兵、ラルフ・ハミルトン訓練兵、事務局に出頭せよ』

施設内に放送が流れる。

「あれ?」

食堂で仲間達と共に談笑しながらコーヒーを飲んでいたラルフが顔を上げる。

「珍しいな、皓が時雨教官に呼び出されて叱られるならともかく、ラルフが呼ばれるなんて」

綾斗が呟き、皓が「うるせぇ」と顔を顰める。

「何かやったのか?ラルフ」

晴も彼の横顔を見る。

「さて…身に覚えはないんだけどね…」

コーヒーの紙コップをクズカゴに投げ捨て、ラルフが席を立つ。

「ちょっと行って来る」

食堂を出て行くラルフ。

ラルフ一人だけの呼び出しに、奈々は心配そうな顔で彼の背中を見送っていた。

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