alternative
横須賀基地の事務局に出向いたラルフ。

「ラルフ・ハミルトン、出頭しました」

部屋の入り口で敬礼すると。

「来たか。こっちだ」

時雨が彼を呼び寄せた。

緊張した面持ちで入室するラルフ。

「時雨教官、お呼びですか」

「ああ…貴様にちょっとした任務を引き受けてもらいたくてな」

時雨は大きめの封筒をラルフに渡した。

封筒には『極秘』の判が押してある。

「…俺が見てもいいんですか?」

いわゆる軍機という奴だ。

本来ならば訓練兵が見ていいものではないのだが。

「貴様は完全抗体の持ち主だし、今回の任務に加わってもらう必要があるのでな。見てもらわなければ困る」

「……それでは、失礼します」

一体何が入っているのか。

ラルフは封筒の中身を取り出した。

< 106 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop