alternative
封筒の中身はモノクロの写真だった。

衛星写真だろうか。

最大望遠で写し出されたのは、どこかの山中。

「北九州に位置する、とある山中の写真だ…ラルフ、これが何だかわかるか?」

時雨が写真のある場所を指差す。

「……」

ゴーグル越しに目を凝らすラルフ。

何かいる。

この写真の遠近感からすると、それなりに大きなもののようだ。

5メートルはあろうかという大きさの、これは…。

「AOK?」

「まだ断定は出来ないがな」

時雨は否定とも肯定とも取れない返答を返した。

「国連軍の偵察衛星が偶然撮影したものだ。AOKは人間と然程変わらない体躯の2メートル前後のものしか確認されていないが、その写真のものは貴様の見立て通り、身長5メートルはあると思われる大型のものだ」

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