alternative
「大丈夫ですよ、僕らはヘリで待機して、お二人のバックアップをするだけですから」

綾斗が言う。

「写真撮って、ヘリに戻ってくるんだろ?俺達はその時の援護をするんだ」

皓も綾斗の発言の後に続く。

「時雨教官やラルフの実力は勿論信用してますけど…心配じゃないですか」

晴が真剣な顔で言うのを見て、時雨はもう一度溜息をついた。

「基地に帰ったら命令違反で貴様ら全員腕立て伏せだからな、覚えておけ」

「「「「了解」」」」

罰を与えられたにもかかわらず、奈々達は笑顔で返答した。

…そんな事を話しているうちに、ヘリは北九州上空に差し掛かる。

眼下には荒廃した街の光景。

その少し先に、山が見えた。

鬱蒼と生い茂る木々。

成程、AOKの巣とするには絶好の環境だ。

あそこならAOKの餌となる野生動物も生息するだろう。

「奴らが繁殖するには最高の条件という訳だ」

時雨の言葉に、ラルフがゴクリと息を飲んだ。

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