alternative
ヘリは山の麓あたりでホバリング。

そのヘリから二本のロープが下ろされる。

「それでは行ってくる。来たからにはバックアップは頼んだぞ」

言い残し、時雨がロープ一本でヘリから滑り降りる。

ラペリング(懸垂降下)。

特殊部隊では必須の技術だけに、第207訓練分隊でも当然教えている。

時雨は勿論、ラルフも難なくロープ一本で滞空中のヘリから着地した。

ヘリはこのまま周辺に待機。

時雨とラルフの任務が終了次第、ここで二人を回収(リカバリー)して撤収する。

「それでは行きましょう、教官」

ラルフがアサルトライフルを構える。

「ああ…先頭は私が行く」

時雨は軍刀をいつでも抜けるように柄に片手を添えて、山道を歩き始めた。

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