alternative
足跡。

しかも獣の足跡でも軍靴の跡でもない。

「AOKのものだな」

時雨がしゃがみ込んで足跡を見る。

「これが…?」

ラルフは彼女の発言に疑問を抱く。

AOKの足跡にしては大きすぎる。

確かに足跡の形状は酷似しているが…。

「例の大型AOKのものですか?」

「恐らくはな…」

念の為足跡を写真に収めながら、時雨は神妙な顔で頷いた。

まだ山中に入って幾らも歩いていないというのに、もうこんなものが見つかるとは。

この周辺地域がAOKの勢力下である事を、嫌でも思い知らされる。

その時。

「む?」

時雨が顔を上げた。

ラルフも振り向く。

…生い茂る木々の向こう側、比較的程近い位置から咆哮が聞こえた。

紛れもなくAOKの鳴き声だ。

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