alternative
「いいか…よく聞け貴様ら…」
苦痛に喀血しながらも、時雨は言う。
「完全抗体の持ち主など…がはっ!…チヤホヤされるのは生きている間だけだ…戦争というのは人間を狂わせる…我々完全抗体の持ち主は…死ねばモルモットでしかないのだ…戦争に勝つ為に…自らが生き残る為に…平気で他人の命を実験材料にする…我々は…ぐっ…兵器としてしか見られてはいないのだ…」
血に塗れた己の手を、時雨は見つめる。
「流石に真っ二つにされては…再生は出来んか…死にはしないだろうが…このまま無様な姿で生き続けるしかない…こんな化け物のハラワタを埋め込まれた体だ…まともな老いが来るかどうかさえわからん…」
「何言ってんだ!」
皓が時雨の手を握り締める。
「あんたは『人間』だ!俺達の教官で、俺達を導いてくれた『人間』の仲間だ!そうだろっ?」
「フン…気休めを…だが悪くないな…」
薄く笑みを浮かべ、時雨は隊員達全員の顔を見た。
苦痛に喀血しながらも、時雨は言う。
「完全抗体の持ち主など…がはっ!…チヤホヤされるのは生きている間だけだ…戦争というのは人間を狂わせる…我々完全抗体の持ち主は…死ねばモルモットでしかないのだ…戦争に勝つ為に…自らが生き残る為に…平気で他人の命を実験材料にする…我々は…ぐっ…兵器としてしか見られてはいないのだ…」
血に塗れた己の手を、時雨は見つめる。
「流石に真っ二つにされては…再生は出来んか…死にはしないだろうが…このまま無様な姿で生き続けるしかない…こんな化け物のハラワタを埋め込まれた体だ…まともな老いが来るかどうかさえわからん…」
「何言ってんだ!」
皓が時雨の手を握り締める。
「あんたは『人間』だ!俺達の教官で、俺達を導いてくれた『人間』の仲間だ!そうだろっ?」
「フン…気休めを…だが悪くないな…」
薄く笑みを浮かべ、時雨は隊員達全員の顔を見た。