alternative
高い位置に立ち、全部隊を見渡すように視線を走らせる米内。

彼がこの『Operation Daybreak』の最高指揮官を務める。

ザッ、と。

軍靴を踏み締める音と共に、全部隊の兵士達が敬礼を送った。

それに敬礼を返した後。

「よくぞ集ってくれた、兵士諸君」

米内は告げる。

「本作戦に、日本の未来を託す事になる。現在の国連軍極東支部のほぼ全兵力を結集した最終作戦だ。成功しても失敗しても、今後数年、極東支部は大規模軍事行動はできなくなるだろう。それ程の兵数と兵器を今作戦で使用する」

もう後はない。

米内の言葉が、否応なくこの作戦の重大さを物語る。

「この作戦を、命懸けで…死を賭しても完遂する、そう考えている者もいるかもしれない」

彼はそこまで言ってもう一度兵士達に視線を走らせた後。

「今作戦で命を捨てようとしている者、即刻この場から立ち去れ」

耳を疑うような発言をした。

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