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入隊した直後は着せられている印象だった軍服も、皆着こなせるようになった。

彼らは時雨の方に振り向き、笑顔を浮かべる。

「ええ…式の前に『彼ら』と会っておこうと思いまして」

柔らかく微笑む綾斗。

「俺達は彼らがいたからこそ生き残る事が出来た…時雨少佐から受けた教えも、彼らがいなければ守り通せなかったかもしれない」

晴も『彼ら』を見つめる。

「……さぁ、そろそろ移動しろ。時間に間に合わなくなる」

時雨が隊員達を促す。

国土奪還作戦に大きく貢献した功績を称えられ、時雨分隊の面々はこれから勲章の授与式に出席する。

国連十字勲章。

最高の栄誉とされる勲章のひとつだ。

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