alternative
大体の入隊に関する説明が終わる。

「さて…こちらでも貴様らの資料は目を通しているが…やはり貴様ら自身の声で自己紹介は聞いておきたい」

時雨は右端に立つ茶髪ツインテールの少女を見た。

「まずは貴様からだ。順に自己紹介してもらおうか」

「え…あ、はい…」

少女はおずおずと前に出た。

「香月 奈々です…よろしくお願いします…」

掠れた小さな声で呟く奈々。

「聞こえん」

目を閉じたまま腕を組み、時雨は彼女の自己紹介を一蹴した。

「え…?」

問い返す奈々に。

「聞こえんと言っているのだ!何だその蚊の鳴くような声は!もっと腹から声を出せ!」

「は、はいっ!」

思わず涙目になりながら、奈々は再度声を振り絞った。

「香月 奈々ですっ!よろしくお願いしますっ!」

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