alternative
続いて時雨は、奈々と同年代の長身の青年に視線を送る。

「咲月 晴です。よろしくお願いします」

「うむ」

時雨の瞳が、晴の顔を見据える。

「…何か…?」

「いや…」

含みを持たせつつも、特に何も問いかけずに時雨は黙る。

(いい眼をしている…戦闘で躊躇しないだけの強い意志を秘めた眼だ)

彼女は兵を見る目には自信がある。

今でこそ感情の起伏に乏しい青年だが、時雨は晴に何か感じるものがあったようだった。

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