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戦場へ
第207訓練分隊にも、時には休息が与えられる。

訓練が一段落した昼休み。

しかし新兵達の中には自主訓練に励む者もいる。

「奈々は刀の握りが甘いんだ。だから時雨教官に打ち込まれただけで簡単に軍刀を弾かれてしまう」

訓練場の片隅で、奈々と綾斗が話している。

一人居残りで黙々と剣術の訓練をしていた奈々に、綾斗が気を利かせてコツを教えているのだ。

入隊してから三ヶ月。

新兵同士の間にも友情や信頼が生まれつつある。

(綾斗君って優しいなぁ…)

紺色の髪、青い瞳、中性的な顔立ち。

美形の部類に入る綾斗の横顔を、奈々は頬を染めて見つめる。

「奈々、聞いてるか?」

「え?あ、うん、聞いてる聞いてる!」

尤も奈々の場合、友情や信頼とはまた違った感情のようだが。

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