alternative
ラルフは組み上げる途中の銃を机の上に置く。

「時雨教官は四年前に国連軍に入隊したらしい。俺達と同じ完全抗体の持ち主として、訓練分隊の所属になったらしいが…」

「それの何がおかしいんだ?」

皓は尚も理解できていない様子だ。

そこへ晴が口を挟む。

「たった四年で少佐にまで昇格?」

「そうだ」

ラルフが頷く。

確かにどれ程の戦果を挙げたとしても、この昇格ぶりは異例と言える。

一体どんな理由で時雨は少佐にまで登り詰めたのか。

普通に軍隊で任務をこなしているのならば、こんな出世ぶりは考えられない。

如何に特別なエリートだとしてもだ。

「あの人は一体どういう人なんだろうな…」

再び銃の組み上げを再開しながら、ラルフは考えを巡らせていた。

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