alternative
皓とラルフもまた、いなくなった晴の行方を追っていた。

晴の軍刀と90式歩兵強化装備は持ち出されていた。

基地の外でAOKに襲われた時に対処できるようにという事だろう。

近場をうろつくだけなら、そこまで用意周到にする必要はない。

やはりもう二度と基地には戻らないつもりなのだろうか。

「そんな事あるもんか!」

皓が口を尖らせて言う。

「晴は絶対帰ってくる!」

「……」

何の疑いも持たずに仲間を信頼する皓を、ラルフは羨ましく思う。

青臭い、思春期ならではの友情という奴だろうか。

しかしそれを馬鹿にしようとは思わないし、むしろそこまで無条件に信頼できる皓が眩しくさえあった。

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