alternative
だが現実は厳しい。

晴は昼間の戦闘で、相当なショックを受けたのだろう。

目の前で兵士が死んだ。

AOKによって、まるで小さな虫でも踏み潰すみたいに、簡単に命が消えていった。

兵士として軍隊に居続ける以上、あんな光景は嫌と言うほど見続ける事になる。

やがては人間の死が日常となり、目の前の死体に無感情でいられるようになるくらいに。

晴にはきっと、そこまで耐える事はできないだろう。

素質はある。

技術もある。

だが彼は兵士にはそぐわない。

優しすぎるのだ。

仲間や兵士の死を『消耗品』と割り切る。

軍隊にはそんな非情さが必要なのだ。

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