君の声を聴かせて
私の変化は同僚だけでなく、生徒たちにも分かったみたい。



授業中、教卓の前の席の子が話しかけてきた。



「桃ちゃん先生、今日どしたの?なんか違うー。キラキラしてるよ。」


「俺もそう思った!桃ちゃん、彼氏となんかあった?」


「いいなぁ〜。」



次々と喋り出す生徒たち。

キラキラしてるなんて褒められるのは嬉しいけど、声優の声を聴いて妄想してたなんて、死んでも言えない…。




「からかわないの。それじゃあ、教科書の23ページから、そうだなぁ…楠木さん読んでくれる?」


私は平静を保ちつつ、授業を進めた。



「じゃあ次を…、蓮沼くん。お願い。」
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