君の声を聴かせて
「はっ、蓮沼くんっ!」


逃げられちゃ困る!

そう思い、私は蓮沼くんの元に駆け寄った。



「えっ!?…先生どうしたんですか?俺、なんかしました?」


逃げ腰の蓮沼くん。

これは明らかにおびえてる。



「あのねっ。は、話があるの。だから…、こっち来てっ。」


「はっ?」


有無も言わさず、私は蓮沼くんの手を取り、国語科準備室へと入る。



「ちょっとだけ、待ってて。すぐ戻るから。絶対に待っててねっ!帰らないでねっ!!」



蓮沼くんを国語科準備室に拉致した私は、全速力で学校を出る。


体育は3以上とったコトのない私に、この全速力はツラい。
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