君の声を聴かせて
私は自分が『教師』っていう立場も忘れて、蓮沼くんに、



“一生のお願い”



というものをしてしまった。




「蓮沼くんっ!もうこうなったら恥ずかしいなんて関係ないや。お願いっ!!このセリフ、読んでもらえないかな?」



蓮沼くんの前に差し出した1冊の文庫本。
読み古して、表紙なんかクタクタになっている。

私が初めて買った恋愛小説。
読んだトキは幼かったコトもあったけど、ドキドキが止まらなかった。


“大人になったら、こんな恋愛がしたいっ!”


って。



この本を読むと、そのトキの気持ちがよみがえってドキドキする。

まさに私の青春のバイブル。


“鳴海キョウ”の声で、ヒロインへの告白のセリフ言ってもらったら…。


考えただけで、心臓が動きすぎて不整脈おこしちゃう。
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