君に永遠の初恋を。
足は勝手に歩みを進め、気づけば一ノ瀬と書かれた表札の前に立っていた。

…さすがに図々しいよな。

自分の行動に呆れて、帰ろうとした。

そう、「した」

「江川朔夜?また、盗みに来たの?」

振り向けば、買い物袋を抱えた一ノ瀬があくびをして、立っていた。

なんという…バッドタイミング。

「あ、ご飯食べに来たのか。どーぞ、入って」

「お、お邪魔します」

買い物してきてよかったと呟きながら、一ノ瀬は冷蔵庫に買った物を入れていく。

泥棒の俺をこんな簡単に入れていいのだろうか。

昨日、盗みに入った俺を。

警戒心が無いのか?

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