君に永遠の初恋を。
…違うな。

無気力なだけだ。

「何、食べたい?」

「じゃあ、パスタで…」

「了解」

会話、終了。

パスタを茹でる音だけが部屋に響く。

ソファに座らせてもらい、これからどうしようか考える。

ホテルに泊まるような金は無い。

親に電話で泣きついてもいいのだが、気が乗らない。

泥棒って本当に自分勝手だよな。

家と息子を捨てて逃げやがって。

さーて、どうしたものか。

「できたけど」

「おー…」

テーブルには湯気を立てるヘペロンチーノ。

…うまそ。

実際、今まで食べた中で一番おいしかった。

プロ並みじゃねーの?

この短時間でどうしたらこんなにうまく作れるのか疑問だ。
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