君に永遠の初恋を。
何となくやってきた屋上にはラッキーなことに誰もいなかった。

日の当たる所に寝転がった。

今日はサボろう。

悲しいくらい蒼い空は私には眩し過ぎて。

私に蒼空は似合わない。

見えない鎖で縛られた私に自由は、無いのだから。

「タイムリミットまで、あと2週間」

2週間後、私はここにいない。

偽りの自由さえ、手放さなければならない。

「ここ、にいた…」

「…江川、朔夜…?」

屋上の扉に立っていたのは、息を切らした江川朔夜で。

無性に泣きたくなってしまった。

「捜したんだぞ…」

「な、んで…」

「こっちが聞きたい。何であんな悲しそうな顔してたんだよ…」

…こんな優しさ、知らない。

こんな温もり、知らない。

「何でそんな寂しそうなんだよ…っ」

気付けば、目の前は真っ白。

江川朔夜のシャツだとわかるまで数秒かかった。

暖かい…

これが、人の体温…?

凄く、凄く、安心できる。

泣きたくなる程、暖かくて、優しい。
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