君に永遠の初恋を。
考えても、わからない。

寝ることを諦めた私は、熟睡中の江川朔夜を置いて、屋上を出た。

あー、眠い。

確かカバンに睡眠薬入っていたから、飲もう。

教室の扉を開けようとした。

「うちらのクラス、完成早くない?」

「だよねー。みんな帰ったし」

どうやら、文化祭の準備は終わったよう。

中には話している二人しかいないようだ。

「てかさ、江川くん、文化祭来るかなー」

…江川、朔夜?

引きかけた手が止まる。

普通に開けてしまえばいいのに、手が、動かない。

「かっこいいよねー。でもさ、好きな人いるらしーよ」

「マジで!?気になるじゃん!」

好きな、ひと?

どうしよう。

凄く、苦しい。

何、これ。

気づいたら、走り出していて、睡眠薬のこととか、全部頭から飛んでいた。

辿り着いた先は、家の近くの公園。

錆びついたブランコに座った。

落ち着け、私。

別に動揺することじゃない。

江川朔夜に好きな人がいようと関係ないじゃないか。


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