君に永遠の初恋を。
本当に何もなくなった部屋。

江川朔夜と座ったソファーも。

「…行きたくないな…」

思わず呟いた言葉はきっと本心で。

理由は、一つ。

江川朔夜と別れたく、ないから。

…あぁ、そっか。

私は。

江川朔夜が、好き、なんだ…

自覚したと同時にこぼれ落ちたのは、透明な液体。

これが、涙…

今更気付いても、泣いても、遅い。

だって、私は、今日の為に生かされてきたのだから。

「もう…行かないと」

さぁ、私の自由は、おしまい。

部屋を出て、マンションのエントランスについた。

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