君に永遠の初恋を。
高校生が泥棒って、かっこいい。

うわー楽しそう!

「ってあれ?お前同じクラスの…」

「そー。一ノ瀬結愛。君、泥棒だったんだ」

ポカンと口を開けたまま固まった江川朔夜。

当たり前か…こんな高級マンションに同じクラスの人がいるとは思わないだろうし。

しかも一人暮らしですし。

「あ、金目の物だっけ。ちょっと待って」

キッチンの戸棚を開ける。

今まで詰め込んできた福沢諭吉が音を立てて落ちた。

地味に痛いんだけど。

適当に札束をひっつかんで彼の手に乗せた。

こんくらいあればいいでしょ。

え?なんでそんなに金持ってるかって?

簡単だよ。親がちょいと社長やってるから。

毎月とんでもない額を振り込んでくるわけ。

まぁ外面よくする為だけど。

「…こんなに?」

「ない?って聞かれたから、渡した。まだ、いる?」

どうせこんなにいらないし、そろそろ募金しようと思ってたとこ。

あの人たちが捨てた金を有効に利用しなきゃ、あの人たちに人生を狂わされた人に示しがつかない。
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