君に永遠の初恋を。

クラスメートはまさかの泥棒サマ

次の日、遅刻ギリギリに学校へと滑り込んだ私は昇降口で溜め息をついた。

下駄箱には大量のカッターと画びょうの数々。

…上履き履けないんだけど。

いつも無愛想な私は随分と嫌われているようだ。

「うわ、すげ」

「あ。昨日の」

後ろに立っていたのは江川朔夜。

思いっきり遅刻だ。

…私もか。

「酷いな。いつもこんな感じなのか?」

「うん。よくこんなこと毎日できるよね」

「確かに。俺の下駄箱も酷いけどな」

江川朔夜が下駄箱を開けた。

雪崩のように紙が落ちてきた。

…手紙?

一枚拾い上げてみると、可愛い文字で。[江川朔夜くんへ]と書かれていた。

後ろにはハートのシール。

「…ラブレター?」

「せーかい。ほんと迷惑」

眉間に皺を寄せたところを見ると、毎日この量が入っているよう。
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