ボーダーライン
『あのっ!!』



奥さんの震えた声が私のボタンを押そうとする指を止めた。



「はい?」



『お参りにも来ないんですか?!』



「はぁ?」



『線香の一本もあげに来ないんですか?!』



「………………。」



開いた口が塞がらないとはこの様な状態を言うのだろうか…。



呆れを通り越して怒りさえも感じてきた。


要といい、この奥さんといい…本当に自分勝手だ。
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