ボーダーライン
胸の奥がモヤモヤする。



何処にもぶつけようない何とも言えない感情が私を支配していた。



「おい?どうした?」



いつの間にか後ろにいた父親が声をかけてきた。



「いや…何…でもない…。」


(いつから居たんだろう…。)



「話し声がしてたけど電話でもしてたんか?」



「う…ん。まぁね…。」



歯切れの悪い私の言葉に気付いていたようだが



「そろそろ店開けるぞ。しっかりせぇ。」


それだけ言うと暖簾を出しに行った。
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