ボーダーライン
頭を下げたまま私は言葉を続けた。



「昇格の件…とても有り難いお話だと思います。しかし…本当に申し訳ありません。」



沈黙が流れる。


なぜか怖くて頭を上げれない。



そんな私を見かねたのか部長の声がした。


「川上くん。顔を上げて。」



私はゆっくりと顔を上げた。



「辞退するなら辞退するで何も辞表までは…。」


そう言う部長の顔は…困った顔をしていた。
< 52 / 130 >

この作品をシェア

pagetop