ボーダーライン
「いえ、実は……実家の母が倒れました。昇格の話しがなくても…提出していた物だったと思います。」



「辞めて、実家に帰るのか?」



「はい。家業を継ごうかと考えています。父に……頭を下げられました。」



「そう…か…。私はてっきりこの話しを受けてくれるとばかり…。」



「申し訳…ございません。」



「いや、もう決めた事なんだろう?」



「…はい。」


部長は何か考えているようだったが、フゥ〜っと1つ溜め息を落とすと、


「わかった。上には私から話しておこう。」


そう言うと、私から受け取った封筒を胸ポケットにしまった。
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