cafe diacre
「あはは、大丈夫だよ。ホストクラブ行こうなんてまだ考えてないから。そんな心配そうな顔しないでよ」
私が感じる不安を振り払うように、片手を振って少し大袈裟に言う碧。
そんなに自分は顔に出てのか、と思わず顔に両手を当てる。
でも、よかった。ここで嘘を吐くような子じゃないって知っているから、少し安心した。
「じゃあ、一体どこに行くの?」
「えっと、ナイショ! 着いてからのお楽しみ!」
人差し指を口元にもっていき、可愛らしく言うと、碧はさっさと教室を出ていってしまった。
それから一度消えた不安は、再び私の中に戻ってきた。
その不安は、私が一歩を踏み出す度に足にまとわりつくようで、私の足取りを重くさせた。