cafe diacre
対して私は、ただただ唖然とするしか出来なかった。
だけど、やっぱりそうゆう店に入るのは抵抗感がある。
だって“執事”なんて言うんだから、みんな男の人なんだろうし…。
……やっぱ無理っ!
「…み、碧、私ちょっと急用が…」
店と碧に背を向け、捕まらない内に早く逃げようとするも、残念な事に碧の方が一枚上手のようで。
私が背中を向けた瞬間、腕が捕まってしまった。
「逃げようとしてもダメ!」
「違う違う、本当に急用なんだって! ほ、ほら、ぇっとポチ…そう、ポチ子! ポチ子覚えてるでしょう?」
「尊ん家の隣に住んでる おばちゃんが飼ってる可愛い犬でしょ?」
「そう、そのポチ子が寂しがってるからさ! 行ってあげなきゃ!」