毒舌先輩とあたしの秘密。
ちょっとドキッとした。
あたしの手を引っ張る大樹がすごく大人びて見えて・・・。
「駅でなんかあったらどーすんだよ・・・」
おまけにこのセリフは普段の大樹じゃ見られない。
レアってことね、うん。
「おかしにつられてふらふら行くような顔しやがって・・・」
・・・前言撤回。
こいつ、やっぱ可愛い顔して毒はいてる。
「だいじょうーぶですーあたしは強いですしーMEGURUですしー可愛くないですしー」
「・・・MEGURUなのは関係ないだろ」
「うっ、うるさいな!」
「やっぱり不安だ、ついていく」
「だあー!もういいよっ、好きにしてっ」
あたしは折れた。さすが幼馴染、しつこい。
繋がれた手に少し・・・すこーしだけ視線を向けながらも駅への道を歩いていった。
・・・いつの間に身長高くなってたんだね、大樹。
幼馴染の成長に今気づくあたしはすごく大樹の傍に居たんだね。
でもいつかは離れなくちゃならないときが来るんだと実感した瞬間、なんだか胸が寂しい気持ちで覆われた。
・・・自然に、手の握る力を強くしてしまった。