毒舌先輩とあたしの秘密。
大樹side
・・・さて、どうするかな。
俺も実は眠たいけど恵、どこか眠ってなさそうな(実際寝てるんだけど)雰囲気をしていた。
だから、あんなこといった。
・・・なんか微妙に後悔してる。
くそっ、今日が午前中授業終了で部活がないのがいけないんだ。
ちく・・・たく・・・。
駅前の時計が示すのは午後2時。
・・・いつぐらいにくるのか聞いておけばよかった・・・。
「すぅ・・・すぅ・・・。」
・・・恵・・・。
俺は隣で眠っている幼馴染を見る。
普段声色が冷たく、どこかクールな印象を与えている恵。
・・・眠っているとこんなにも可愛く見えるんだ。
「・・・っ」
小さい頃からずっと見てた。
どんな時でも一緒にいた。
そんな年月のことを考えるとこの幼馴染にどれだけ心を奪われているかを実感した。
「俺が・・・どれだけ溺れてるか知らないくせに・・・こんなことすんな・・・」
自然と声は切なくなり、抑えている想いは膨らむばかり。
「でも・・・これを言うことは出来ないんだな」
幼馴染の形が壊れてはいけない。
ずっと・・・ずっと・・・恵は俺の大切な幼馴染。
そう、認識しておかないと今の状況はなかなか作れない。
「・・・こんな状況で眠くなる俺も俺だけどな・・・」
そうつぶやいてた刹那。
「ねえ、貴方、この人のマネージャーさん?」
・・・声を、かけられた。