青薔薇
『あたし…帰る。』


あたしは沈黙に耐えられず、
帰ることで、
この場から離れようとした。


さっきまで拘束されていた手は、
もう解放され、
自由な状態だ。

あたしは、
出口に行こうとした。


そう、行こうとした。


黒羽龍真の横を通り過ぎようとしたとき、

あいつはあたしの手を掴んだんだ…。
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