青薔薇
思えば今まで、
人に必要とされたことが、
一度でもあった?


ずっと必要とされずに、
異質な存在として、
蔑まれなかったことがあった?


"あたしは必要ない"


それを理解した途端、
不安が恐怖に変わった。

必要とされない絶望感。

存在していることさえ、
曖昧だという喪失感。


小さいあたしが壊れるには充分だった。

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