拝啓、過去(あの時)の俺へ [完]
「……と…き……んっ」




「あ………も…わか…た」




進行方向から聞こえる…
誰がいようと関係ないか…
そう思ってまた歩き始める…
声は少しずつ大きく、はっきりと聞こえてきた。




「みてない…い……だろ?」




「じゃ……だけ…よ?」




「なつの…!!」




ん?
なつのって…桐原捺乃!?




「れいっ……!!」




曲がり角を曲がる。
その先に見えたもの。
固く抱き合って、影がひとつになっていた男女。




「捺乃っ…なつっ…」




「んっ…れ…り…」




桐原捺乃と少し年上にみえるイケメン。
刺激が強すぎて、俺は違う道を走って家に帰る…
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