拝啓、過去(あの時)の俺へ [完]





わかってはいた。
夏姫は俺を避けるだろう。と。

実際、夏姫は俺と会ってもギクッとして。





俺が逃げている。





夏姫はそれでも恐る恐る近づこうとしていた。
ように俺には見えた。





跳び跳ねたいくらい嬉しい。
今すぐ、抱き締めてお前が好きだ。と言いたいくらいに。
だが、それは叶わない。





怖い。
あいつが俺を怖がるように。
夏姫と幼なじみを続けられなくなる。今まで通りでいられない。ということが怖いんだ。





それに…
俺は…
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