スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-
バスに乗るとほとんどの生徒が既に席についていた。
「お、3班やっときたかー。揃ってるか?」
「うーす、全員いまーす」
適当にこたえた稜佑を不安に思ったらしく
担任は無言で私の方を見てきたので
私も無言で頷くと
持っていたボードに挟まれた紙にまるを書いていた。
「俺らは右側のシートの5列目から4列分に座っていいってさ」
しおりを見ながら車内を進む稜佑は
すれ違う座席に座る人たちほぼみんなから声をかけられていて、
なかなか進まない。
それをうっとおしく感じながらも
稜佑の後ろに空いた狭い隙間を通り
先に進む。
私は、4列分あるなら
女子で2列使って良いはずだからと
自分たちの班の分の席の1列目の窓際に座った。
きっと隣には3人のうちの誰かが座るだろう。
そう思って飲み物なんかがはいった小さなサブバックを
前の座席の背の取っ手の部分にかけた。
「おおー、ここからそこまでかー!」
後から茜ちゃん達も追いついて、
『誰か一緒に座ろう!』
そう言おうとした時、
「まぁ研修前に班で交流も大事だし、
王道の男女別じゃなくて混合にしましょー!」
美奈ちゃんの楽しそうな声が聞こえた。
……え?
「先ずは、班長副班長ってことで、
香乃子と桃井くん、
私は高校からの友達、紗依と!
そして水野くんは本を読みたそうだから、1番後ろをお1人でどうぞ!
余った茜と伊東くん……でいいかな?」