スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-



自分の嫌いな短所をいとも簡単に、

数回しか話したことない奴に、

オブラートにも包まずつっこまれたのはこれが初めてだった。


今までは毒舌といわれている一面をなるべく出さなようにしたり、

つい出てしまったときは苦笑いされたり控えめに引かれる、とかだった。


のに、この人は、


「……『誰もがアンタのこと好きなわけじゃないから』だっけ?

なんかビビっときたんだよね!

今まで俺の近くにいた子で最初から俺にそういう態度とる子いなかったからさ。


俺のこと何も知りもしない子に、こんなに嫌われるなんて――


めっちゃ燃えるよね。


……なんていうか、いいもん見つけちゃったって感じでさ」



悪魔のような笑みで、

私の顔を覗き込んだ。


いつの間にか階段を上り終えていて、

教室が見えてきた。


「って事で、これからよろしく」


その顔に寒気が走る。


どういうこと!?そう聞きたくて口を開こうとして、

それは彼の人差し指が私の唇を押さえて妨げられた。



「……ね、香乃子ちゃん?」



え、なにこれ、どうなってんの?




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