スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-
1人になりたい、
でもなりたくない。
そんな不安定な感情が
心を支配する。
まだ、脈ははやいまま。
大丈夫、
もう昔のこと。
今は違う、
ここは高校、
私は高校生。
となえても大丈夫そうなワードだけを
心の中で繰り返す。
そうやってどうにか
落ち着こうとして、
「はい」
水野くんが戻ってきた。
「あ、ありが……とう」
うまく声が出ない。
ぎこちないお礼を言って、
差し出された紅茶に口をつけた。
冷たく甘いストレートティーによって
少し熱がおさまり
落ち着いてきたのがわかる。