スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-
「落ち着けた?」
多分私が手を離したり断ったせいか、
水野くんは私とは少しはなれたところから
声をかけてくれた。
こくんと頷いて、
彼を見る。
ああ、大丈夫そうだ。
もう重ならない。
そうわかると
無意識に真ん中に座っていたのを
端による。
「水野くんも、座って」
私がそううながすと
彼は無言で少し距離をとりつつ
ベンチに腰掛けた。
「「…………」」
しばらくお互い無言。
1人だけど、
1人じゃない。
そんな空気に安心できた。
もう何度目になるか
もらった紅茶を流し込んで
私は口を開く。
「ごめんね、もう大丈夫」