スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-
私が落ち着くまで、
少し間を空けつつ、
水野くんはずっと隣に居てくれた。
途中、
「……俺が山田さんを追いかける前、
教室を見たんだ。
桃井と久良伎さんがいたけど、
2人とも山田さんが急に居なくなったことに
びっくりしてただけみたいだった。
それに、あの場には
じゃんけんに勝った後、
帰るために支度していた
俺らの掃除の班の人がいたんだ。
多分、何かの事故とか、
そういうのだと思う」
ゆっくり、
私の反応を見ながら
そう教えてくれた。
本人たちからそう聞いたわけではないけど、
もしかしたら、
本当にそうなのかもしれない。
だって2人ではない教室で
そんなことしないよね。
だけど、少しでも美奈は稜佑に好意があって、
稜佑も悪い気はしないだろうなって
考えは動かない。
それは本人たちの勝手と思うのに、
嫌な気持ちになる自分が嫌だ。
フラッシュバックして
当時と重なってしまったせいか、
稜佑のこと、
やっぱり男性なんだなって
強く認識してる自分がいるんだ。