スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-
そう、そんな事を‟全然思ってない”私は、
再び目の前の本へと視線を落とした。
「めっちゃ面白いんだけど!」
と、大爆笑してる彼らとは、
同じ教室内にいるはずなのに全く空気が違うみたい。
私だけ、クラスにいないような、そんな感じ……。
どうしてこんなことになってしまったのか。
それは私がこの学校の入学式を休んだのが問題だった。
中2の時から志望していたこの学校に受かった私。
必死に勉強して、
無事に受かったのが嬉しくて、
受験勉強から解放された私は、
その反動とでも言うように
調子に乗っては卒業してからの春休みなんともだらしのない生活を送っていた。
そのせいか入学式の前日に39度の高熱を出し、
入学式から3日間、学校を休んでしまった。
要するに、
友達を作るタイミングを失くした私は、
入学してからもう3週間経った今でも、
ひとりも友達がいない。
そういうことで、
今さら『友達になって』とお願いする勇気もない私は、
毎回の休み時間、こうして本を読んで過ごしている。