スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-



「香乃子っ!!!」

「よかった、どうしたのかと思った!」


本当に心配してくれたんだと思うと

余計心苦しいけど、

やっぱり特に美奈とは接し辛い。


「あ、えっと……」

返事に困ってると

「具合悪いんだよね!無理しなくていいよ」

とさっきの嘘が本当に信じられていた。


「う、うん……」

否定しても真相はどうも話せないし、

今はこうやって乗り切るしかないよね。


フラッシュバックも落ち着いた今は

申し訳ないけど早く1人になりたい。


「はあー、もう急に飛び出したから

マジ焦ったわ」

私の後ろに立ち、

何気なく稜佑が私の頭をぽんとたたいた。


けれどその瞬間今までで一番の寒気。


「いやっ!!」

咄嗟に声を荒げた私に

水野くんをのぞいた全員がびっくりしてるようだ。


「桃井、帰るぞ」

水野くんはびっくりしている稜祐に

帰りの支度を急かして、

「山田さん、ゆっくり休みな。

また明日」

といって、わけのわからなそうな稜佑をひっぱり教室を出た。


「あ、ごめん、頭も痛くて。

……急に触られたからびっくりして響いちゃって」

無理のある言い訳をして、

3人とも少し不思議そうだったけど、

とりあえずそれ以上は追及されなかった。


本当ありがとう、水野くん。



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